日本では、古くから医師が診察を行い、薬も取り扱ってきた歴史があります。
しかし、医療の高度化や複雑化、さらには専門性の追求により、医師は診療に集中することが求められるようになりました。
そこで、医師は診療を行い、薬は薬剤師に任せるという「医薬分業」という考え方が進められ、ここ20年ほどで急速に進展し、2012年の医薬分業率は全国平均で約66%になりました。

医薬分業にすることで、医師と薬剤師の二人の専門家により、処方内容のダブルチェクができたり、複数の医療機関に受診している場合などには、薬の重複や飲み合わせのチェックができるなど、患者さんが安全に、そして安心して薬を使用できる環境を整えるなど、様々なメリットがあります。
このように薬剤師の役割は、医薬分業における調剤を通して、薬の適正使用に貢献することにあります。

医薬分業を上手に利用するコツ

調剤してもらう薬局では、お薬のことなど薬剤師に何でも気軽に質問し、相談しましょう。

  • 1日3回っていうけど、飲み忘れたらどうしたらいい?
  • 妊娠してるけれどお薬を飲んでも大丈夫?
  • 赤ちゃんにお乳を飲ませている間は、飲まない方がいいお薬があるって聞いたんだけど?
  • 薬局で買った大衆薬や食物との飲み合わせは?
  • 牛乳やコーラと一緒に飲んでもいい?
  • おじいちゃんが薬が飲みにくいっていってるんだけど?

薬局の薬剤師は、患者さんから聞いたことを他の人に話すことは、法律で厳しく禁じられています。安心して相談しましょう。

薬局では、患者さんが使用したお薬の名前や時期、お薬のアレルギーのことなどを、患者さんごとに、記録しています。これを薬歴カードといいます。以前調剤してもらったお薬のことなど、質問してみましょう。