今回は外用薬について。外用薬といえば軟膏やクリーム等の「塗り薬」をまず思われるでしょう。また消毒薬の液剤や幼児の坐薬もポピュラーですが、最近は貼付薬、つまり「肌に貼る薬」も多くなって来ました。従来の外用薬は目で見える疾患部分へ直接使用する「局所作用」が主でしたが、貼付薬は皮膚から体に吸収させて「全身」に作用するように工夫されています。これは、内服すると胃や腸から吸収されて肝臓にいく過程で分解され、薬として働かないものや、徐々に吸収させて長く作用を持続させる目的のためです。小児の分野では気管を拡げて呼吸を楽にさせるテープ状(ホクナリンテープ)が良く使われています。また、いわゆるシップ薬にも、ただ患部を冷やしたり、温めたりするだけでなく、痛み止め成分をより痛みの強いところの近くの皮膚から吸収させる「経皮吸収」薬は主流となっています。弱点は「かぶれ」です。おくすりその物による場合や、皮膚にひっつくよう工夫している「ノリ」の成分によるものがあり、長く貼っていただかないと効果が出ない分、厄介な副作用です。どうしても必要なおくすりなら貼る場所を変えたり、少し早めにはがしたりすることも方法です。

福山市薬剤師会