Q.薬を冷たい水で飲むのは避けたほうがいいと言われるのはなぜでしょうか?

薬を飲んだ後、薬は、胃・小腸で溶けなければ吸収されません。
そうなると、薬が溶けるためには、胃や小腸に含まれる水分の温度が重要になります。一般に薬の溶ける速度は、温度が上がれば上がるほど速くなります。逆に言えば、温度が下がれば下がるほど、薬の溶ける速度は遅くなります。
つまり、「冷たい水で飲むと、薬が胃や小腸で溶けにくいので吸収されにくく、十分な効き目がでない」ということです。

Q.なるべく温かい湯で薬を飲めば、薬は胃で速く溶けだすということでしょうか?

そうですね。しかし、だからといってあまり熱い湯で薬を飲もうとしても、そう簡単に飲めるものではありません。
薬を飲む時は、安心して一気に飲め、しかも胃や小腸で溶けやすい人間の体温と同じくらいの37℃のぬるま湯が一番適当ということになります。

Q.飲む時のぬるま湯の量はどうなのでしょうか?

多くの薬は、飲む時にコップ1杯(約100~150ml)の水やぬるま湯で飲むことが良いといわれています。

Q.水やぬるま湯の量を変えたらどうでしょうか?

飲む量を変えると、薬の吸収の程度が変わります。
薬を大コップ1杯(約300ml)の水・ぬるま湯で飲む場合と、普通のコップに半分(約50ml)の水やぬるま湯で飲む場合とを比較すると、大コップの水・ぬるま湯で飲んだ時に薬の吸収が増え、薬の効果もよくでます。
これは、十分な量の水が胃に存在することによって、まずカプセル剤や錠剤の周囲が崩壊し、次いで肝心な薬の溶解が速くなるからです。
つまり、ごく正しい薬の飲み方としては、冷たい水を避け、できるだけ「多めの水・ぬるま湯」で飲むことが望ましいと思います。